0516 (右の足底の筋膜)

J0516 (右足底の筋膜)
図の要点(右足底の筋膜 J0516)
- これは足底表層の筋膜(足底腱膜)を示した図です。踵から足趾基部へ扇状に広がる強靭な線維性組織で、足の縦アーチを支えます
アノテーション
- 01 横束(足底腱膜の)Transverse fascicles of plantar aponeurosis
足趾の基節骨付近で、足底腱膜の端同士を横方向に結ぶ短い線維束。足趾の付け根を締める"帯"の役割を持ち、横アーチの安定に寄与します
- 02 足底腱膜 Aponeurosis plantaris
踵骨隆起から前方へ扇状に走る主構造。立位や歩行時にアーチを引き締め、体重負荷を分散します。足趾を背屈すると腱膜が巻き上がる「ウィンドラス機構」でアーチが高まり、蹴り出しが効率化します
- 03 皮膚 Cutis
厚く角化した足底皮膚。脂肪枕とともに衝撃吸収に関与し、腱膜の直上を覆います
- 04 踵骨隆起 Tuber calcanei
足底腱膜の起始部。長時間の立位や過負荷ではこの起始部付近に牽引ストレスが集中します
層構造の理解
- 表層:皮膚と皮下脂肪(衝撃吸収)
- 中間層:足底腱膜(中央部が最も厚く強い)
- 深層:腱膜の深部へ向かう縦線維束や、趾の屈筋腱・足底筋群の腱鞘などが位置します
機能
- 足の縦アーチと横アーチの受動的支持
- 立脚期の荷重分散と推進力増強(ウィンドラス機構)
- 踵から前足部への力の伝達路としてのテンセグリティ
臨床メモ
- 足底腱膜炎:踵骨隆起付着部の圧痛。朝の一歩目痛、長距離歩行や肥満、下腿後面のタイトネスがリスク。
介入の一例:腱膜と下腿三頭筋ストレッチ、足底支持インソール、荷重管理。