0278 (10歳の女の子の右の股関節:前下方からの図)

J0278 (10歳の女の子の右の股関節:前下方からの図)
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図の概要
- 図は「10歳女児の右寛骨(os coxae)を前下方から見た図」です。腸骨・坐骨・恥骨の三骨が寛骨臼周囲で連結する発育期の姿を示しています。
ラベルの説明(和英ラテン)
- 01 坐骨 — Ischium — Os ischii坐骨体と坐骨枝からなり、下方後部を形成。坐骨棘や坐骨結節へ続き、体重支持やハムストリング起始と関連します。
- 02 腸骨 — Ilium — Os ilium翼(腸骨翼)と体からなり、上外側の広い扁平部。寛骨臼の上部を構成し、寛骨臼上縁(寛骨臼上角)へ移行します。
- 03 寛骨臼の過剰骨(臼蓋骨)— Acetabular bones臼蓋縁近くにみられる副骨・二次骨化中心の痕跡を指す用語。小児期にみられ、成長とともに癒合・消失します。
- 04 恥骨 — Pubis — Os pubis上枝・下枝・恥骨体で構成し、寛骨臼の前下方を形成。恥骨結合や内転筋群の起始と関係します。
解剖のポイント
- 三骨の「Y字軟骨(三放射軟骨)」部位で成長する時期の標本で、寛骨臼縁は輪状の月状面と臼底(寛骨臼窩)に分かれます。10歳前後では臼蓋周囲に副骨化中心(ラベル03)が見られやすいのが特徴です。
- 観察方向が「前下方」なので、恥骨前方構造と坐骨の輪郭が強調され、腸骨翼はやや奥行き方向に傾いて見えます。
臨床・発育の小ノート
- 小児股関節の画像所見では、臼蓋骨化中心のバリエーションは正常範囲に含まれることが多く、離断性骨片や骨折と紛らわしい場合は年齢相応の骨化段階と連続性を評価します。
- 寛骨三骨の癒合は思春期後半へ向けて進行。スポーツ障害では坐骨結節の牽引(ハムストリング起始)や恥骨周囲の骨端障害が鑑別に挙がります。
アノテーション
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