0207 (5ヶ月胎児の右上肢の骨格:前面からの図)

J0207 (5ヶ月胎児の右上肢の骨格:前面からの図)
拡大率:1:1. (骨質は赤く着色され、骨格部分は透明になっています。)
この図は「5ヶ月胎児の右上肢の骨格(前面)」を示しています。骨は透明調、骨化中の部位が赤く着色されています。
ポイント
- 肩帯と上腕:肩甲骨と上腕骨(骨幹は形成中)。骨端はまだ軟骨で、骨核は未出現または小さい段階です。
- 前腕:橈骨と尺骨が並走しますが、骨端は軟骨性で、骨幹の骨化が進行中です。
- 手:手根骨はまだほぼ軟骨で不透亮。中手骨と指骨の骨幹に一次骨化中心が現れ始めています。
- 関節部:肩関節、肘関節、手関節はいずれも軟骨性の連結が主体で、靱帯や関節包は形成途中です。
- 比例:胎児期の特徴として、関節端が丸く、骨幹が相対的に細く見えます。筋や腱の付着部(赤色で示される領域)は、骨化に伴い将来の粗面や結節へと形作られます。
発生学的な要点
- 長管骨は骨幹に一次骨化中心が出現し、末端(骨端)は出生近くまで軟骨優位です。
- 手根骨の骨化は出生後に始まるものが多く、胎生5ヶ月ではまだ透けて見えます。
- 上肢全体の形態はすでに完成しており、以後は主に骨化と長軸方向の成長が進みます。
この図から読み取れること
- 上肢の基本的な並び(肩甲骨→上腕骨→橈尺骨→手)が確認できる
- 骨化の進行度合いの違いが部位ごとにわかる
- 臨床的には、胎児期の骨化スケジュールや先天異常の評価に役立つ基礎所見を示す図です
必要なら、各部位にラベルを付けた簡易アノテーションも追記できます。