0179 (右の橈骨:母指側からの図)

J0179 (右の橈骨:母指側からの図)
この図は「右の橈骨(母指側=橈側からの観察)」を示しています。橈骨は前腕の親指側にある長骨で、肘から手首まで走ります。
主な部位
- 橈骨頭:近位端の丸い部分。上方の浅いくぼみ(関節窩)が上腕骨小頭と関節します。周囲の帯状の関節面(関節環状面)は尺骨の橈骨切痕と接します。
- 橈骨頚:頭のすぐ下のくびれた部分。
- 橈骨粗面:近位前内側の隆起。上腕二頭筋腱が付着します。
- 前縁と前面:骨幹の前側の輪郭と面。前縁は触知の目安になります。
- 骨間縁:尺骨と向き合う鋭い縁。ここに骨間膜が張り、前腕の捻りや力の伝達を助けます。
- 茎状突起:遠位端の外側にある先端の突起。手首の橈側の骨性ランドマークで、橈骨手根関節や靱帯付着の指標です。
見方のポイント
- 近位端(上)ほど丸みが強く、遠位端(下)に向かってやや扁平かつ広がります。
- 橈骨粗面はやや内側前面に膨らみ、ここが筋付着の鍵。
- 骨間縁は内側に鋭く走り、尺骨との間で前腕の安定性を担います。
- 手首外側で触れる突起が茎状突起です。
臨床メモ
- 橈骨頚部骨折は小児に多く、可動域制限の原因になります。
- 前腕の回内回外は、橈骨が尺骨の周囲を回る運動で、関節環状面と骨間膜が重要です。
参考:このページのアノテーション番号は、上記の各部位に対応しています。