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図520(顔面神経の骨管内走行とその結合関係を外側から剖出した図)
舌咽神経の起始核については424頁を参照されたい。この神経は最初から混合性で、知覚性と運動性の両部分を含む。その根束は延髄の後外側溝上部で脳を離れる。これらの根束は柔膜に細枝を送った後、速やかに合流して前方の細い索と後方のより太い索を形成する。両索は密接して並び、頚静脈孔の前方部に達する。ここで神経は特殊な硬膜鞘に包まれる。
頚静脈孔内では、知覚性束が個体差のある大きさの内神経節Ganglion intracranialeを形成する。頚静脈孔直下で舌咽神経は膨らみ、より大きな外神経節Ganglion extracranialeとなる。この神経節は錐体小窩Fossula petrosa内に位置する。両神経節の細胞は脊髄神経節と同様、偽単極性である。
舌咽神経は外神経節を出た後、まず内頚静脈と内頚動脈の間を通り、次いで内頚動脈と茎突咽頭筋の間を下行する。その後、茎突咽頭筋の後縁を回って方向を変え、その外側面に達し(図520(顔面神経の骨管内走行とその結合関係を外側から剖出した図) )、後下方に凸の弧を描きながら茎突咽頭筋と茎突舌筋の間を通って舌根に至る。
舌咽神経は運動性および単純知覚性の線維に加え、特に味覚線維Geschmacksfasernを含む。味覚を伝える神経として、舌咽神経は最も重要である。
a) 外神経節Ganglion extracranialeからは以下の枝が出る:
顔面神経の結合枝である鼓室神経叢との交通枝Ramus communicans cum plexu tympanicoは、顔面神経膝付近で顔面神経から、または大浅錐体神経から分岐する。
鼓室神経と交感神経との結合は通常1本だが、稀に2本のこともある。この結合枝は頚鼓神経Nn. caroticotympaniciと呼ばれ、内頚動脈神経叢から発し、頚鼓小管を通って鼓室に達し、鼓室神経と合流する(図515(上顎神経と翼口蓋神経節) )。
鼓室神経の末梢枝には以下がある:α) 鼓室小枝Ramuli tympanici:鼓室と乳突蜂巣の粘膜に至る。β) 耳管枝Ramus tubae pharyngotympanicae(図515(上顎神経と翼口蓋神経節) ):耳管の内側壁を前方に走り、耳管咽頭口に達する。
b) 舌咽神経の末梢枝には以下がある:
図524(交感神経幹上部・舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経)