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(図405(脊髄における種々の伝導路の領域を示す(模型図)))
前索と側索には多数の線維が集まっており、その一部は下行し、一部は上行している。灰白質に接する狭い部分には、主に索細胞の神経突起がある。この部分は前索基礎束Vorderstranggrundbündelおよび側索基礎束Seitenstranggrundbündelと呼ばれる。
前索および側索からも多数の側枝が出て灰白質内に達している(図405(脊髄における種々の伝導路の領域を示す(模型図)))。
前索は前皮質脊髄路(錐体前索路)から多数の側枝を同側の前柱に送り、これらの側枝は前柱の運動性細胞で終わる。錐体前索路の側枝が反対側の前柱の細胞に達するという説は一部の学者によって唱えられているが、v. Lenhossék(1895)はこれが存在しないとしている。前索からの多数の側枝は、前皮質脊髄路の外側にある前索部分からも出ている。これらの側枝は交連細胞群や深部の中心部細胞群、さらに前柱内側部の運動性細胞群にも達する。また、ガワース路も前柱の運動性細胞群領域および側柱の細胞に多数の側枝を送っている。前側索の中で最も豊富に側枝を灰白質内に送るのは側索基礎束、外側皮質脊髄路、そして脊髄小脳路である。外側皮質脊髄路からの側枝は運動性細胞群に達し、基礎束からの側枝は前柱または後柱の細胞および中間部の細胞に達する。脊髄小脳路からの側枝は中間部外側部の細胞に達している(図400(脊髄の構造を模型的に表わした図) 、図401(1つの感覚ニューロンの構造)、402(脊髄の一部における運動ニューロン群、感覚ニューロン、および索細胞の相互関係) )。