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(RK600(主要脈管系の分布概観図)、RK690(縦胸静脈とそれらの連絡、および胸管を示す図))
下大静脈は下肢、骨盤、腹腔の内臓、骨盤腔と腹腔の壁、下部の脊髄およびその被膜からの血液を集める。
この静脈は第4〜5腰椎の右側、右総腸骨動脈の右後方で、左右の総腸骨静脈の合流点から始まる。その後、腹大動脈の右側を上方に横隔膜に向かって上行し、徐々に大動脈から離れていく。大動脈が横隔膜の大動脈裂孔(Hiatus aorticus)を通過するのに対し、下大静脈は肝臓の右縦裂の後部を経て横隔膜の大静脈孔(Foramen venae cavae)に向かう。そして、この孔を通って心膜嚢内に入り、すぐに右心房に開口する(RK600(主要脈管系の分布概観図))。
**局所解剖:**この太い静脈幹は腹腔後壁を右上方に斜めに走行する。下方では大腰筋の内側縁、腰椎体の右側縁、交感神経幹の前方に位置し、上方では横隔膜腰椎部の前方にある。下大静脈の後方には右腰動脈と右腎動脈が通り、前方には右精巣動脈が斜め下方に向かって走る。同じく前方には小腸間膜、十二指腸下行部、膵臓、上腸間膜動脈および門脈があり、さらに上方では肝臓がその前面に位置する。外側には右尿管、右腎臓と腎上体がある。