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右気管支と左気管支は、気管から下方に向かってほぼ直角に分岐する。それぞれ対応する肺に向かって外側下方に進むが、その長さ、幅、進行方向、および隣接器官との関係において、左右で大きく異なる。
右気管支は左気管支より短いが太い(図202(喉頭、気管、気管支およびその主要分枝の前面図)、図204(喉頭、気管および気管支とその主要分枝:後面図))。約3cmの長さで、急な傾斜をもって下方に走り、右肺門に達する。
右縦胸静脈は後方から右気管支の上を越えて上大静脈に開口する。肺動脈右枝は初め右気管支の下にあるが、後にその前方に位置する(図210(肺根:前方から剖出したもの)、211(上下の気管支樹およびリンパ節)、図212(肺根:後方から剖出したもの)、213(呼吸細気管支から肺胞管への移行部の模型図)、214(ネコの肺胞壁における呼吸上皮と毛細血管の模型図)、図224(胸腔の内臓の位置II))。
左気管支は右気管支より細く長く、4~5cmの長さがある。外側下方に進み、大動脈弓の下を通って左肺に至る。左肺門への到達点は、右気管支の右肺門到達点より2.5cm低い。左気管支は食道と下行大動脈の前方を走り、大動脈弓はその上方を通って左後方に進む(図210(肺根:前方から剖出したもの)、211(上下の気管支樹およびリンパ節)、図212(肺根:後方から剖出したもの)、213(呼吸細気管支から肺胞管への移行部の模型図)、214(ネコの肺胞壁における呼吸上皮と毛細血管の模型図)、図226(胸腔の内臓の位置 III))。簡単に言えば、大動脈弓は左気管支の上にまたがり、右縦胸静脈は右気管支の上をまたいでいる(原著者)。大動脈弓と左気管支の間には左反回神経がある(図088(咽頭と食道の背面からの剖出図))。
左右の気管支は形状において気管を縮小したようなものである。前方と側方は円みを帯びて固く、弓状の軟骨(後方が開いている)で支えられている。そのため、後方は平坦で膜性である(図204(喉頭、気管および気管支とその主要分枝:後面図)、図212(肺根:後方から剖出したもの)、213(呼吸細気管支から肺胞管への移行部の模型図)、214(ネコの肺胞壁における呼吸上皮と毛細血管の模型図))。