
J0681 (口蓋の筋:後方からの図)

J0682 (右側の耳管軟骨部:側面、わずかに下後方からの図)

J1044 (右の軟骨性耳管の軟骨部分の側方端近くの断面:内側からの図)

J1045 (右の軟骨性耳管の外側方向と内側部の3分の1の境界断面:内側からの図)

J1046 (右の軟骨性耳管の中央部と内側部の境界断面:内側からの図)

J1047 (右の軟骨性耳管の耳管の咽頭開口近くの断面:内側からの図)
外側板(耳管軟骨の) Lamina lateralis cartilagis tubae auditivae
耳管軟骨の外側板は、解剖学的および機能的に重要な構造で、以下の特徴を持ちます:
解剖学的特徴
- 薄く垂直方向に伸びる軟骨板で、耳管軟骨の外側部分を構成しています。外側板は耳管軟骨の軸方向に約10-12mm延長し、高さは約4-6mmで個人差があります(Proctor, 2012; Bluestone, 2005)
- 内側板(lamina medialis)と比較して小さく、より柔軟な構造を持っています。外側板の厚さは約0.5-1.0mmで、内側板よりも薄い特徴があります(Standring, 2020)
- 組織学的には弾性軟骨(elastic cartilage)で構成され、豊富な弾性繊維(elastic fibers)を含んでいます。この弾性繊維の配列は耳管の開閉運動に適応した構造を示しています(Sadler, 2018; Yılmaz et al., 2019)
- 耳管開口部近くでは、内側板と結合して不完全な軟骨性管(耳管軟骨部、pars cartilaginea tubae auditivae)を形成します。この結合部は耳管峡部(isthmus tubae auditivae)付近に位置し、耳管の最も狭い部分となっています(Moore et al., 2014)
- 外側板の表面は結合組織(connective tissue)と粘膜(mucosa)で覆われており、粘膜上皮は線毛円柱上皮(ciliated columnar epithelium)と杯細胞(goblet cells)で構成されています(Ross and Pawlina, 2020)
位置関係
- 側頭骨錐体部(pars petrosa ossis temporalis)と接続する耳管の中間部から咽頭側(pharyngeal side)に位置しています。外側板は耳管の骨性部(pars ossea)と軟骨性部(pars cartilaginea)の境界から咽頭開口部(ostium pharyngeum tubae auditivae)まで延長しています(Danner, 2006)
- 外側方向に突出し、内側板とともに逆J字型またはフック型の横断面構造を形成します。この特徴的な形態は耳管の開閉機構に重要な役割を果たしています(Seibert and Danner, 2006)
- 口蓋帆張筋(tensor veli palatini muscle)の付着部となっており、筋腱移行部が外側板の下縁に接続しています。また、口蓋帆挙筋(levator veli palatini muscle)の一部線維も外側板に関連しています(Swarts and Rood, 2005; Takasaki et al., 2007)
- 外側板の外側方には咽頭傍隙(parapharyngeal space)が位置し、頸動脈鞘(carotid sheath)との解剖学的関係が重要です(Standring, 2020)
機能的意義
- 嚥下時やあくび時に口蓋帆張筋が収縮すると、外側板が外下方に引っ張られて耳管内腔が拡大し、耳管が開通します。この能動的開口機構(active opening mechanism)は中耳の換気に不可欠です(Poe et al., 2011)
- 中耳と咽頭の間の圧力を均等化し、鼓膜の適切な振動を保証します。正常な耳管機能により、中耳腔の圧力は大気圧に対して±10 daPa以内に維持されます(Alper et al., 2012)
- 中耳分泌物の排出を促進し、中耳の換気を維持します。線毛運動(ciliary action)と筋活動による物理的排出機構が協調して機能しています(Takasaki et al., 2007)
- 外側板の弾性特性により、耳管閉鎖時の内腔密閉と開口時の効率的な拡張が可能となっています(Swarts and Rood, 2005)
臨床的意義