内側前腕皮神経 Nervus cutaneus antebrachii medialis

J0574 (右腋窩の動脈、正面図)

J0614 (右前腕の表在静脈:前方からの図)

J0929 (右側の頚神経叢と腕神経叢:模式図)

J0934 (右の腕神経叢(鎖骨下部)が下から前に向かっている図)

J0935 (右上腕の表面神経:前方からの図)

J0936 (右腕の皮膚神経:掌側面からの図)

J0949 (右腕の皮神経の支配領域:前面からの図)

J0950 (右腕の皮神経の支配領域:背面からの図)
1. 解剖学的特徴
内側前腕皮神経は、上肢の知覚を担う重要な神経である。以下に主要な解剖学的特徴を詳述する:
2. 起始と経路
- 第8頚神経(C8)および第1胸神経(Th1)に由来し、腕神経叢の内側神経束から起始する (Standring, 2021)。
- 通常は腕神経叢の内側神経束の前下縁から始まるが、尾側胸筋神経や尺骨神経からの発生例も報告されている (Moore et al., 2023)。
- 尺骨神経の腹側を下行し、上腕遠位部において尺側皮静脈とともに上腕筋膜を貫通する。
3. 分枝と分布
- 主要な分枝として、掌側枝(前枝)および尺側枝(後枝)がある (Drake et al., 2020)。
- 掌側枝は前腕屈側の尺側半部、尺側枝は前腕伸側の尺側半部の皮下に分布する。
- 上腕前面への皮枝(前上腕皮神経)は94.6%の症例で存在することが確認されている (Iwamoto et al., 2022)。
4. 臨床的重要性
- 神経ブロックの際の重要なランドマークとなり、上腕内側部で容易に同定が可能である (Miller et al., 2021)。
- 前腕の手術や静脈採血時には、神経損傷のリスクに特に注意を要する。
- 神経損傷により、前腕内側部に感覚異常を生じる可能性がある。
5. 解剖学的変異
- 分岐パターンには個人差があり、早期分岐や遅延分岐などの様々なバリエーションが存在する (Netter, 2023)。
- 内側上腕皮神経との吻合が高頻度で観察される。
- 皮膚支配領域には個体差が認められ、特に境界部での変異が顕著である。