
腕神経叢の内側神経束は、神経叢の下部幹から発生する神経束であり、主に第八頸神経(C8)と第一胸神経(T1)の神経線維により構成される (Moore et al., 2018)。具体的には、腕神経叢の下神経幹の前枝から形成され、腋窩動脈の内側に位置している (Standring, 2020)。
内側神経束は、腋窩動脈に対して内側に位置し、外側神経束とともに腋窩動脈を前方から挟むように走行する (Netter, 2019)。この特徴的な配置は、正中神経ワナの形成において極めて重要な解剖学的意義を持つ。また、内側神経束は解剖学的変異が比較的少なく、その走行は一定している (Drake et al., 2020)。
内側神経束からは以下の重要な神経が分岐する (Moore et al., 2018; Standring, 2020):
内側神経束を構成する神経線維は、C8およびT1神経根由来であり、これらは下神経幹の前枝を経て内側神経束へと集束する (Moore et al., 2018)。神経束内では、各神経線維が特定の配列パターンを示し、これが末梢神経への分岐パターンを決定する重要な要因となっている (Wilson et al., 2023)。
高解像度画像診断技術の発展により、内側神経束の微細解剖学的構造が明らかになってきている。神経束内部では、神経線維束が結合組織により区画化されており、各神経線維束は特定の支配領域への投射パターンを有している (Zhang et al., 2024)。この微細構造の理解は、神経損傷のメカニズム解明や治療戦略の開発に重要である。