外側溝 Sulcus lateralis cerebri
解剖学的特徴
- 外側溝(シルビウス裂溝)は、大脳半球の底面から始まり、前頭葉、頭頂葉、側頭葉の間に深い溝を形成する (Ono et al., 1990)。
- 主要な3つの枝(後枝、上行枝、前枝)があり、後枝は平均61.2mmで、左側がより長い傾向がある (Eberstaller, 1890)。
- 溝の深部には島が存在する (Rhoton, 2007)。
機能的意義
- 左半球の外側溝周辺には、言語中枢であるブローカ野とウェルニッケ野が位置している (Broca, 1861; Wernicke, 1874)。
- 上側頭回には一次聴覚野が存在し、島皮質は内臓感覚と情動処理に関与している (Craig, 2009)。
解剖学的変異
- 上行枝と前枝の存在率は、研究により76.5~100%の範囲で報告されている (Yasargil, 1984)。
- 後枝が後端で上下に分岐する割合は、53.5~83%と報告されている (Cunningham, 1892)。
臨床的意義
- 外側溝の形態異常は、てんかんや発達障害との関連が示唆されている (Geschwind & Levitsky, 1968)。
- 脳血管障害の診断において、中大脳動脈の走行との関係で重要な指標となる (Tanriover et al., 2004)。
- 脳神経外科手術のアプローチにおいて、重要な解剖学的ランドマークとして用いられる (Ribas, 2010)。
発生学的特徴
- 胎生期に外側溝は浅い溝として出現し、その後、徐々に深くなる (Chi et al., 1977)。
- 外側溝の形成は、大脳皮質の発達と密接に関連している (Rakic, 1988)。
主要な計測値
- 外側溝の総延長は、平均して120-140mm程度である (Ide et al., 1996)。