上小脳脚(結合腕)Pedunculus cerebellaris superior
基本構造
- 主に小脳からの出力線維を含む神経線維束であり、小脳視床路と小脳赤核路が主要な成分である (Ramnani, 2006)。
解剖学的経路
- 歯状核から腹内側に向かい、中脳下部で交差して上小脳脚交叉を形成する (Voogd and Ruigrok, 2012)。
- 交差後、反対側の中脳被蓋を上行する。
終止部位
- 赤核および視床の前外側腹側核に終止する (Paxinos and Mai, 2004)。
- 表面を走行する前脊髄小脳路は、小脳前葉へと分布する。
機能的意義
- 小脳からの運動調節信号を大脳へ伝達する重要な経路である (D'Angelo and Casali, 2013)。
- 運動の協調、姿勢制御、運動学習に関与している。
- 小脳の出力を視床経由で大脳運動野へと伝達する。
臨床的意義
- 病変により運動失調、企図振戦、姿勢制御の障害が生じる可能性がある (Schmahmann, 2004)。
- 上小脳脚症候群では、同側の小脳性運動失調と対側の感覚障害が特徴的である。
発生学的特徴
- 胎生期に小脳原基から発達し、神経回路の形成過程で重要な役割を果たす (Sotelo, 2004)。
- 生後の運動学習能力の発達に伴い、その機能的成熟が進む。
参考文献