胸髄核 Nucleus thoracicus posterior

J0888 (神経束と神経節細胞群を含む脊髄の模式的な断面図)
1. 解剖学的構造
1.1 位置と分布
- 胸髄核(Clarke柱)は、T1からL3までの脊髄分節の中間帯背内側部に存在する (Sidman and Rakic, 1982)。
- 主に胸部と上部腰髄の脊髄灰白質後角の基部に位置する (Brodal, 1981)。
- 胸髄核の密度は、C8-T1およびL1-L2の高さで最大となる。
- 細胞は柱状に配列し、脊髄の横断面では楕円形の細胞集団として観察される。
1.2 細胞構成
- 大型、中型、小型の神経細胞から構成される (Carpenter and Sutin, 1983)。
2. 神経接続
2.1 求心性入力
- 筋紡錘(Ⅰa群)と腱器官(Ⅱ群)からの求心性入力を受ける (Matthews, 1982)。
- 胸髄上部ではC5-C8、腰髄ではL4以下の後根線維を受け取る。
- 他の脊髄核や下行性経路からも入力を受ける。
2.2 遠心性投射
- 大型・中型細胞の軸索は、同側の後脊髄小脳路を形成する (Oscarsson, 1973)。
- 軸索の投射は同側性であり、交差はしない (Brodal, 1981)。
- 後脊髄小脳路は、T1からL3までの胸髄核からの情報を小脳虫部前葉に伝達する。