第Ⅱ層は後角尖に位置し、明確な境界を持つ幅広い帯状領域で、細胞体染色と髄鞘染色により簡単に確認できるぎっしりと詰まった神経細胞からなる膠様質です。第Ⅱ層には、①小型の細胞から成る狭い外帯、②幅広い内帯の2つの領域があります。どちらの領域でも、ニューロンは表面に対して放射状に配置された円形または楕円形をしています。紡錘状の細胞体の大きさはほぼ同じで、一方または両極から多数の樹状突起を出します。第Ⅱ層のニューロンは、後根からの線維群だけでなく、延髄網様体の下行線維群からも痛覚に関連する神経信号を受け取ります。したがって、痛みの調節(セロトニン、ノルエピネフリン、P物質、エンケファリンなどの多様な神経伝達物質が使用され、触覚受容ニューロンも関与)は第Ⅱ層で行われます。この層内に存在するニューロン細胞体は、軸索突起を上行性伝導路に直接伸ばすのではなく、第Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ層ニューロンにシナプス伝達を行うために伸ばします。