膠様質(脊髄の後角の)Substantia gelatinosa (Cornu posterioris medullae spinalis)

J0887 (脊髄の概略断面図と主要な伝導経路)

J0888 (神経束と神経節細胞群を含む脊髄の模式的な断面図)
解剖学的構造
層構造と位置
- 脊髄第II層(膠様質)は、後角尖の背側部に位置し、第I層(辺縁層)の直下に存在する明確な境界を持つ帯状領域である (Ribeiro-da-Silva and De Koninck, 2021)。
- 外帯(IIo)と内帯(IIi)の2つの亜層から構成され、それぞれ異なる神経化学的特性を示す (Ribeiro-da-Silva and De Koninck, 2021)。
- 第III層(固有核)と隣接し、機能的な連携を持つ (Todd, 2020)。
細胞構築
- 小型の神経細胞が高密度に存在し、半透明のゼラチン様外観を呈することから「膠様質」と命名された。
- 神経細胞は表面に対して放射状に配置され、円形または楕円形の形状を持つ (Todd, 2020)。
- 神経細胞の樹状突起は、主に背内側-腹外側方向に伸展し、層内での情報処理に寄与する (Peirs and Seal, 2019)。
- グリア細胞(主にアストロサイト)が豊富に存在し、神経細胞の機能をサポートするとともに、神経伝達物質の取り込みと代謝に関与する。
- 中心管周囲の灰白質と比較して、特徴的な組織学的構造と神経化学的プロファイルを示す。
神経線維の入力
- 背側根を介して一次求心性線維(AδおよびC線維)からの侵害受容性入力を受ける (Todd, 2020)。
- 上位中枢からの下行性線維(特にセロトニン作動性およびノルアドレナリン作動性線維)による修飾を受ける (Zeilhofer et al., 2020)。
- 第I層・第IV層・第V層ニューロンへシナプス出力を送り、痛覚情報の処理と伝達に関与する。
機能的特徴
痛覚情報処理
- 侵害受容性入力の第一次中継点として、痛覚情報の処理と調節において中心的な役割を果たす (Basbaum et al., 2023)。