外腸骨静脈 Vena iliaca externa

J0590 (男性右側の閉鎖動脈と下腹壁動脈:左側からの図)

J0591 (男性右側の閉鎖動脈(破格))

J0623 (男性骨盤の静脈、右半分、左方からの図)

J0626 (女性の骨盤の静脈:右半分、左からやや前方からの図)

J0728 (男性の前腹壁(下半分):後方からの図)

J0797 (女性の骨盤臓器の正中矢状断面:左側からの右半分の図)

J0961 (右側の骨盤の神経:左方からの図)
外腸骨静脈は、下肢の静脈還流における解剖学的に重要な主幹静脈で、以下の特徴と解剖学的関係を持ちます (Gray and Lewis, 2020):
解剖学的特徴
- 位置と走行:大腰筋の内側縁に沿って上行し、後腹膜腔内に位置しています (Moore et al., 2018)
- 起始:鼠径靱帯の下方の血管裂孔(大腿血管鞘)で始まり、大腿静脈の直接の続きとなります
- 合流:仙腸関節の高さで内腸骨静脈と合流し、総腸骨静脈を形成します (Standring, 2021)
- 長さ:通常成人では約10cm程度で、左側がやや長い傾向があります
- 壁構造:中膜の平滑筋層が比較的薄く、弾性線維を含む静脈としての典型的構造を持ちます (Ross and Pawlina, 2019)
分岐と流入静脈
- 下腹壁静脈(V. epigastrica inferior):前腹壁下部からの血液を集めます (Netter, 2019)
- 深腸骨回旋静脈(V. circumflexa ilium profunda):腸骨窩と下腹部側壁からの血液を集めます (Netter, 2019)
- 閉鎖静脈(V. obturatoria):変異として外腸骨静脈に直接流入する場合があります (Mirjalili et al., 2017)
臨床的意義
- 深部静脈血栓症:外腸骨静脈は腸骨・大腿静脈血栓症の好発部位であり、下肢の腫脹や疼痛の原因となります (Kearon, 2019)
- 静脈圧迫症候群:骨盤内腫瘍や妊娠子宮による圧迫で血流障害を起こすことがあります (May and Thurner, 2018)
- 血管アクセス:腎不全患者の透析用血管アクセス作成時に重要な解剖学的指標となります (Lok et al., 2020)
- 外科的処置:骨盤内手術や血管外科手術において損傷を避けるべき重要構造物です (Halim et al., 2021)
発生学的特徴
- 発生:胎生期に後主静脈から形成され、下肢の静脈発生と密接に関連しています (Sadler, 2019)