腋窩静脈 Vena axillaris

J0574 (右腋窩の動脈、正面図)

J0609 (頚部の深部静脈:右側からの図)

J0612 (頚部の静脈、腹側図)

J0615 (右の腋窩の静脈:前面図)

J0627 (胴体の表在静脈、腹側からの図)

J0757 (12歳少年の胸部臓器:前方からの図)
腋窩静脈は、上肢からの静脈血還流において極めて重要な大型静脈です (Gray & Standring, 2021)。以下、その解剖学的特徴と臨床的意義について項目別に詳述します。
1. 解剖学的構造
1.1 起始と走行
- 腋窩静脈は大胸筋下縁の高さで上腕静脈の続きとして始まり、腋窩動脈の内側(前内側)を伴行しながら上行します (Standring et al., 2016; Moore et al., 2019)。
- 腋窩を通過する際、この静脈は神経血管束の一部を形成し、腕神経叢の前方に位置します (Drake et al., 2020)。
- 第1肋骨外側縁の高さで鎖骨下静脈へと移行し、最終的に上大静脈を経て心臓へと還流します (Gray & Standring, 2021)。
1.2 解剖学的位置関係
- 前方:大胸筋および小胸筋が位置します (Moore et al., 2019)。
- 内側:胸壁および肋骨と接しています (Standring et al., 2016)。
- 外側:腋窩動脈が伴行します (Drake et al., 2020)。
- 後方:肩甲下筋および広背筋が位置します (Netter, 2019)。
- 神経との関係:腕神経叢の内側神経束および内側前腕皮神経と密接な位置関係にあります (Moore et al., 2019)。
1.3 主要な流入静脈
- 外側胸静脈(Lateral thoracic vein):腋窩外側壁および乳房外側部からの静脈血を集めます (Drake et al., 2020; Standring et al., 2016)。
- 胸腹壁静脈(Thoracoepigastric vein):胸壁前面および上腹部からの静脈血を集め、上大静脈系と下大静脈系を連絡する重要な側副路を形成します (Gray & Standring, 2021)。
- 肩甲下静脈(Subscapular vein):肩甲骨周囲の静脈血を集めます (Moore et al., 2019)。
- 乳輪静脈叢(Areolar venous plexus):乳房周囲の静脈叢と連絡し、乳房からの静脈還流に関与します (Netter, 2019)。
1.4 組織学的特徴