後耳介静脈 Vena auricularis posterior

J0610 (顔の表在静脈:右側からの図)
解剖学的構造
位置と走行
- 後耳介静脈は、耳介(耳殻)の後方表面に位置する主要な表在静脈である(Gray and Lewis, 2024)。
- 本静脈は、耳介後方の浅層静脈叢(耳介後部の皮下静脈網)から起始し、乳様突起の表面を下降する(Netter, 2023)。
- 走行中に、しばしば乳突導出静脈(vena emissaria mastoidea)を受け入れ、頭蓋内静脈系とのコミュニケーションを形成する(Standring et al., 2023)。
- 耳下腺の直上または内部で、下顎後静脈(retromandibular vein)と合流し、外頚静脈(external jugular vein)を形成する(Moore et al., 2023)。
解剖学的関係
- 後耳介静脈は、後耳介動脈に伴走し、通常はその後方を走行する(Drake et al., 2024)。
- 耳介後部では、大耳介神経(greater auricular nerve)の枝と近接する(Standring et al., 2023)。
- 胸鎖乳突筋の前縁と耳下腺の後縁の間を下降する(Moore et al., 2023)。
- 顔面神経の後耳介枝および後頭枝と解剖学的に近接しており、外科的処置時には注意が必要である(Netter, 2023)。
流入する静脈
- 耳介静脈(auricular veins):耳介の外側面および内側面からの静脈血を集める(Gray and Lewis, 2024)。
- 乳突導出静脈:乳突孔を通じて、S状静脈洞からの静脈血を受ける重要な吻合路である(Standring et al., 2023)。
- 後頭静脈(occipital vein)の枝:後頭部からの静脈血の一部を受けることがある(Drake et al., 2024)。
- 頭皮後方からの小静脈枝(Netter, 2023)。
機能と生理学