前外果動脈 Arteria malleolaris anterior lateralis

J0603 (右足背の動脈)
解剖学的特徴
起始と走行:
- 前外果動脈は前脛骨動脈から分岐する重要な側副枝です(Moore et al., 2018)。
- 距腿関節(足関節)の約2-3cm上方で本幹から分岐します(Standring, 2020)。
- 分岐後、外側方向へ走行し、長趾伸筋腱の深層を通過します(Netter, 2019)。
- 外果(腓骨遠位端の外側突起)の前面に達し、外果動脈網(rete malleolare laterale)を形成します(Gray et al., 2021)。
血管吻合:
- 腓骨動脈の貫通枝(ramus perforans)と吻合し、重要な側副循環路を形成します(Lippert & Pabst, 2017)。
- この吻合は腓骨の遠位端前面で行われます(Drake et al., 2020)。
- 外果動脈網を介して、後外果動脈、腓骨動脈、足根洞動脈とも交通します(Schünke et al., 2018)。
- 足背動脈の外側足根動脈とも連絡し、足部の血管網を形成します(Moore et al., 2018)。
臨床的意義
側副循環としての役割:
- 前外果動脈の吻合枝は通常細いものの、前脛骨動脈の閉塞時には代償的に拡張し、足背への血流を維持することができます(Conte & Pomposelli, 2015)。
- 約7%の症例で、この動脈が脛骨動脈から足背動脈への主要な血流経路を担います(Attinger et al., 2006)。
- 閉塞性動脈疾患(ASO)や糖尿病性血管障害の患者では、この側副路が重要な役割を果たします(Norgren et al., 2007)。
外科的重要性: