浅枝(上殿動脈の)Ramus superficialis (Arteria glutea superior)

J0600 (右大腿の動脈、背面図)
解剖学的特徴
起始と走行
上殿動脈の浅枝は、上殿動脈が梨状筋上孔を通過して骨盤腔外に出た直後に分岐します(Moore et al., 2018)。この枝は大臀筋と中臀筋の間の筋膜面を走行し、大臀筋の深層に沿って広がります(Standring, 2020)。
解剖学的位置関係
- 大臀筋と中臀筋の筋間層に位置する
- 梨状筋上孔から骨盤外へ出た直後に分岐
- 大臀筋の深面に沿って上外側方向へ走行
- 腸骨稜に向かって分布する
血液供給領域
- 主に大臀筋の上部および中部を栄養(Lippert & Pabst, 2017)
- 大臀筋の筋膜面に沿って血管網を形成
- 中臀筋の一部にも分枝を送る
吻合関係
浅枝は以下の動脈と豊富な吻合を形成し、臀部の側副血行路を構成します(Sakamoto et al., 2016):
- 下臀動脈との重要な吻合(臀部の主要な側副循環路)
- 外側大腿回旋動脈の上行枝
- 浅腸骨回旋動脈