総腸骨動脈 Arteria iliaca communis

J0586 (男性の腹部大動脈:腹面図)

J0590 (男性右側の閉鎖動脈と下腹壁動脈:左側からの図)

J0591 (男性右側の閉鎖動脈(破格))

J0592 (右側の閉鎖動脈の末端分枝(男性の骨盤):腹側からの図)

J0593 (男性骨盤の動脈、左方からの図)

J0594 (女性骨盤の動脈:左前方からの図)

J0786 (左側の骨盤壁を除去した後の男性の骨盤臓器:左方からの図)
総腸骨動脈は骨盤臓器および下肢への血液供給において重要な役割を果たす主要な血管です (Gray, 2020)。
解剖学的特徴
- 起始:腹大動脈二分岐(aortic bifurcation)として第4腰椎体下縁の高さで腹大動脈から分岐 (Standring, 2021)
- 走行:腹膜後腔を下外側に向かって走行し、仙腸関節の前方に位置する (Moore et al., 2018)
- 終末:仙腸関節前方で内腸骨動脈と外腸骨動脈に分岐(末梢側の二分岐) (Netter, 2019)
- 主要な分枝は持たないが、小さな分枝として尿管枝、腹膜枝、後腹膜枝を出す (Drake et al., 2020)
計測学的データ
- 長さ:個人差が大きいが、平均して右側が約43mm、左側が約47mmで、左側がやや長い (Kamina, 2019)
- 径:成人では約11-13mmで左右差はほとんどないが、胎児から小児期にかけては右側がやや太い (Gilroy, 2020)
- 角度:腹大動脈に対して約30-45度の角度で分岐し、左右はほぼ対称 (Schuenke et al., 2018)
位置関係と境界
- 前方:腹膜、小腸および結腸、尿管(交差) (Snell, 2019)
- 後方:第5腰椎体、腰椎前縦靭帯、総腸骨静脈(特に左側) (Moore et al., 2018)
- 内側:下大静脈、右総腸骨静脈(右側)または左総腸骨静脈(左側) (Netter, 2019)
- 外側:腸腰筋 (Gray, 2020)
臨床的意義
- 動脈硬化性変化が好発する部位で、腹部大動脈瘤の延長として総腸骨動脈瘤を形成することがある (Kumar and Abbas, 2022)
- 血管内治療(ステント留置)や外科的バイパス手術の重要な標的血管となる (Rutherford, 2019)