前乳頭筋(右心室の)Musculus papillaris anterior (Ventriculus dexter)

J0536 (右心室の心房室束とその分岐)

J0538 (心室の基部と中部の三分の一の間の2つの心臓の収縮期冠状断:長軸に対して垂直に、先端領域からの図)

J0539 (心室の基部と中部の三分の一の間の2つの心臓の拡張期冠状断:長軸に対して垂直に、先端領域からの図)

J0541 (拡張期の心臓:おおよそ横隔面に平行な図)

J0545 (強く拡大した心臓の右心室:右側と上方からの図)
解剖学的概要
右心室の前乳頭筋は、心臓の右心室内に存在する筋性突起構造であり、三尖弁の機能維持に不可欠な解剖学的構造です(Anderson et al., 2000)。
位置と構造
- 右心室の前壁から突出し、心室中隔の前方に位置する(Loukas et al., 2013)
- 通常、後乳頭筋および中隔乳頭筋とともに三尖弁を支持する3つの主要な乳頭筋のうちの1つ
- 右心室の乳頭筋の中で最も大きく、最も発達した筋束を形成する(Gray & Goss, 1973)
- 心室壁の心筋層から連続的に発生し、円錐状または円柱状の形態を示す
腱索との関係
前乳頭筋の頂部からは複数の腱索(chordae tendineae)が放射状に伸び、三尖弁の前尖および後尖の自由縁と心室面に付着します(Lam et al., 1970)。これらの腱索は以下のように分類されます:
- 第1次腱索:弁尖の自由縁に付着
- 第2次腱索:弁尖の心室面に付着
- 第3次腱索:弁尖の基部付近に付着
機能
前乳頭筋は心臓の生理学的機能において以下の重要な役割を担っています(Rushmer et al., 1953):
- 心室収縮期において腱索を介して三尖弁尖を心室側に牽引し、弁の逸脱(prolapse)を防止
- 右心室内圧が上昇する際に、弁尖が右心房側へ反転するのを防ぎ、三尖弁閉鎖不全を予防
- 心室収縮に伴い能動的に収縮することで、弁尖の適切な位置関係を維持
- 右心室の幾何学的形状の維持に寄与