盲腸ヒダ Plica caecales

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J0725 (盲腸の腹膜窩:前方からの図)

解剖学的特徴

盲腸ヒダは、盲腸内腔面に存在する粘膜のヒダ構造であり、解剖学的には結腸の半月ヒダ(plicae semilunares)に相当します(Gray and Lewis, 2020)。これらのヒダは盲腸内腔を部分的に区画化し、表面積を増大させることで消化物からの栄養素や水分の吸収効率を高める機能を担っています。

組織学的には、盲腸ヒダは粘膜層、粘膜下層、筋層の一部から構成されており、特に粘膜層は単層円柱上皮と多数の腸腺を含んでいます(Standring, 2021)。この構造により、消化管としての吸収機能が効率的に遂行されています。

臨床的意義

炎症性腸疾患、特にクローン病においては、盲腸ヒダの肥厚や潰瘍形成が観察されることがあります(Kumar et al., 2023)。これらの変化は疾患の進行度や重症度を評価する上で重要な所見となります。

また、腸重積症の発症メカニズムにおいて、盲腸ヒダの構造が関与することが示唆されています(Yamada and Alpers, 2019)。この知見は、腸重積症の病態理解および予防戦略の構築に寄与しています。

診断的価値

内視鏡検査では、盲腸ヒダの詳細な観察により盲腸の状態を評価し、腫瘍性病変や炎症性変化の有無を確認することが可能です(Rex et al., 2022)。これは大腸癌スクリーニングや炎症性腸疾患の診断において重要な検査手技となっています。

放射線画像診断においても、造影CTやMRIで盲腸ヒダの肥厚は病的変化の指標となることがあり(Levine et al., 2021)、非侵襲的な評価方法として臨床的に活用されています。

参考文献