肝結腸間膜 Ligamentum hepatocolicum

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J0723 (肝臓を引き上げたときの網嚢への入口)

解剖学的特徴

肝結腸間膜は、肝臓右葉の下面と結腸(主に横行結腸の右側部分)を連結する腹膜性の靭帯構造です。この構造は腹膜由来の二重膜から構成され、その二層の間には血管系、リンパ管系、および神経線維が走行しています(Standring, 2020)。

この間膜は大網の右側縁部と連続しており、肝十二指腸間膜とも解剖学的に関連しています(Sadler, 2019)。腹膜の折り返し構造として、肝臓と消化管を機械的に支持するとともに、血管・神経の通路としての役割を果たしています。

発生学的背景

胎生学的には、肝結腸間膜は背側腸間膜の一部から分化・形成されます。胎児期における肝臓と消化管の位置関係が確立される過程で、腹膜の再配置が起こり、この靭帯構造が形成されます(Sadler, 2019)。この発生過程の理解は、腹腔内臓器の位置異常や腹膜の癒合異常を伴う先天性疾患の診断において重要です。

臨床的意義

外科的観点から、肝結腸間膜は腹腔鏡下手術および開腹手術における重要な解剖学的ランドマークとして機能します(Skandalakis et al., 2004)。特に以下の臨床場面で重要性が認識されています:

参考文献