陰茎球 Bulbus penis

解剖学的特徴

陰茎球は、尿道海綿体の近位端が膨大した球状の構造物で、左右の陰茎脚の間で後上方に向かって位置している(Drake et al., 2020)。尿生殖隔膜(骨盤横隔膜)の下面(会陰膜)に強固に付着しており、会陰の深部に埋没している。解剖学的には長さ約2.5cm、横径約1.5cmの大きさを持ち、血管に富む海綿体組織から構成されている(Standring, 2021)。尿道は陰茎球の腹側を通過し、球部尿道と呼ばれる。

臨床的意義

臨床的意義として、陰茎球は外傷(特に会陰部の鈍的外傷)を受けやすく、「騎乗型損傷」では重度の出血を引き起こす可能性がある(Moore et al., 2019)。また、尿道造影検査では球部尿道の拡張として観察され、尿道狭窄や尿道損傷の診断に重要である。前立腺疾患に対する経会陰的アプローチでは陰茎球の解剖学的位置を考慮する必要があり、手術時の重要な指標となる(Walsh et al., 2023)。

参考文献

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J0787 (男性の骨盤臓器の正中矢状断:左側からの右半分の図)

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J0788 (陰茎、球海綿体筋および筋膜と皮膚の一部を除去:下方からの図)

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J0789 (陰茎海綿体と尿生殖三角:下方からの図)

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J0808 (男性骨盤:前面からの切断面)