輪状披裂関節 Articulatio cricoarytenoidea

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J0737 (喉頭とその靭帯:右側からの図)

1. 基本構造

輪状披裂関節は喉頭に存在する滑膜関節である。輪状軟骨の上面外側部の関節面と披裂軟骨の底面の間に形成される。単軸性の蝶番関節で、回転と滑走運動が可能である。

2. 解剖学的特徴

関節包は薄い線維性関節包に覆われ、内面は滑膜で裏打ちされている。靭帯は輪状披裂後方靭帯(Lig. cricoarytenoideum posterius)と輪状披裂前方靭帯(Lig. cricoarytenoideum anterius)で安定化されている。運動範囲は主に内転(声帯を正中へ)と外転(声帯を外側へ)である。

3. 機能

声帯の緊張調節により発声時の声帯の適切な緊張を維持し、声門の開閉を制御することで呼吸や発声に必要な声門の開閉を行う。また音声の質、声の高さや大きさの調節に関与している。

4. 臨床的意義

反回神経麻痺では神経障害により声帯運動が制限され、嗄声や誤嚥の原因となる。喉頭関節炎では関節の炎症により声帯運動が制限され、発声障害を引き起こす。声帯固定では関節の強直により声帯の運動が制限されることがある。

5. 診断方法

喉頭内視鏡検査や画像診断(CT、MRI)が用いられ、音声障害の診断と治療において重要な解剖学的構造である。

6. 参考文献