下歯列弓 Arcus dentalis mandibularis

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J0641 (永久歯:唇または頬側からの図)

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J0642 (永久歯:舌側からの図)

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J0645(右の脱落歯: 唇または頬側からの図)

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J0667 (舌の下側と周囲、舌先を上げた状態の図)

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J0672 (口腔:前方からの図)

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J0673 (口蓋:粘膜を取り除いた後に下方からの図)

1. 基本構造

下顎歯列弓(arcus dentalis mandibularis)とは、下顎骨の歯槽部に配置されている歯の列のことで、乳歯列(deciduous dentition)の場合は10本、永久歯列(permanent dentition)の場合は16本の歯で構成されています(Nanci, 2018)。解剖学的には、下顎歯列弓は上顎歯列弓よりもやや小さく、馬蹄形(horseshoe shape)または放物線状(parabolic form)の形態を呈しており、この形態は咬合力の分散と顎骨の力学的効率に寄与しています(Proffit et al., 2019; Ash and Nelson, 2003)。歯列弓の幅径は前方部(anterior region)で約25-30mm、臼歯部(molar region)で約40-45mmであり、個人差や人種差が認められます(Andrews, 1972)。

2. 永久歯の配列

永久歯列の場合、片側に中切歯(central incisor)、側切歯(lateral incisor)、犬歯(canine)、第一小臼歯(first premolar)、第二小臼歯(second premolar)、第一大臼歯(first molar)、第二大臼歯(second molar)、第三大臼歯(third molar、智歯)の8本が配列されています(Wheeler, 1993)。歯列弓の前方部は切歯と犬歯で構成され、主に食物の切断と把持の機能を担い、側方部は小臼歯と大臼歯で構成され、食物の粉砕と咀嚼の機能を果たしています(Nanci, 2018; Okeson, 2020)。各歯の配列は歯槽骨の発育、筋機能、舌と口唇の圧力バランスによって決定され、正常な歯列では歯間接触点(contact point)が連続して歯列の安定性が保たれています(Proffit et al., 2019)。

3. 形態と咬合関係

下顎歯列弓の形態と大きさは個人差が大きく、顔面骨格のタイプ(brachyfacial、mesofacial、dolichofacial)や咬合関係に影響を受けます(Bishara, 2001; Moyers, 1988)。正常咬合(normal occlusion)では、下顎歯列弓は上顎歯列弓の内側(lingual side)に位置し、アングル分類(Angle classification)のクラスI関係では、下顎第一大臼歯の近心頬側咬頭が上顎第一大臼歯の頬側溝に咬合します(Angle, 1899)。また、下顎の前歯は上顎の前歯によって約2-3mm垂直的に被蓋され(overbite)、水平的には約2-3mm覆われています(overjet)(Proffit et al., 2019)。オーバージェットとオーバーバイトの適切な関係は、前歯部の審美性と機能性、さらには顎関節の健全性に重要です(Okeson, 2020)。

4. 臨床的意義

臨床的には、下顎歯列弓の形態異常は咬合不全(malocclusion)、顎関節症(temporomandibular disorders, TMD)、咀嚼障害などの問題を引き起こす可能性があります(Okeson, 2020; Türp et al., 2008)。狭窄歯列弓(narrow dental arch)は叢生(crowding)の原因となり、拡大歯列弓は空隙歯列(spacing)や歯周病のリスクを高めます(Proffit et al., 2019)。矯正歯科治療では、下顎歯列弓の幅径、長さ、対称性を適切に評価し、必要に応じて歯列弓の拡大や形態修正を行うことが重要です(Bishara, 2001; McNamara, 2000)。また、歯科補綴においても、義歯(denture)やインプラント(dental implant)の設計時に下顎歯列弓の正確な評価が必要となり、咬合平面(occlusal plane)の設定や人工歯の配列に影響します(Carr and Brown, 2016; Misch, 2008)。下顎歯列弓の評価には、歯列模型分析(dental cast analysis)、セファログラム分析(cephalometric analysis)、3次元CTスキャン、口腔内スキャナーなどが用いられ、デジタル技術の進歩により精密な診断と治療計画が可能となっています(Graber et al., 2017)。

参考文献