上腕筋 Musculus brachialis

J0175 (右上腕骨とその筋の起こる所と着く所:前方からの図)

J0176 (右上腕骨と筋の起こる所と着く所:後方からの図)

J0183 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手掌側からの図)

J0461 (右上腕の筋:橈側からの図)

J0466 (右上腕の筋:掌側図)

J0467 (右上腕の筋(第2層):掌側図)

J0471 (右前腕の筋:前面からの図)

J0473 (右前腕の筋(第2層):掌側図)

J0476 (右前腕の筋:橈側からの筋)

J0576 (右上腕の動脈、手掌側からの図)

J0578 (右前腕第1層の動脈、手掌側図)

J0579 (右前腕第2層の動脈:手掌側図)

J0939 (右上腕の神経幹:内側からの図)

J0940 (右上腕の筋神経:前方からの筋)

J0941 (右前腕の神経:表面的な層からの図)

J0942 (右前腕の神経、深い層:前面からの図)

J0947 (右上腕の筋神経:後方からの図)

J0948 (右前腕の筋肉の神経、後外側からの図)
上腕筋は上腕の前面深層に位置する強力な肘関節屈筋で、上腕二頭筋の深部に存在します。解剖学的には複雑な構造と多重神経支配を有し、臨床的には骨折や神経損傷の評価において重要な意義を持ちます。
解剖学的特徴
起始と停止
- 起始:上腕骨前面の遠位2/3(三角筋粗面の遠位から肘関節包まで)に広範囲に付着します(Moore et al., 2018)。起始部は上腕骨体の前面および内側面に及び、外側および内側の筋間中隔からも一部線維が起始します(Standring, 2023)
- 停止:尺骨冠状突起の前面および尺骨粗面に強靭な扁平腱として停止します(Standring, 2023)。停止腱は肘関節包と密接に結合し、関節の安定化に寄与します(Leonello et al., 2007)
筋の構造と区分
- 外側部と内側部:上腕筋は外側と内側の二部に機能的に区分されます。外側部はより厚く発達し、橈骨神経からの支配を受けることが多い一方、内側部は筋皮神経の主要支配領域です(Tubbs et al., 2019)
- 浅層と深層:各部はさらに浅層と深層に分かれ、深層線維は肘関節包と直接連結しています。この構造により、屈曲運動時に関節包が挟み込まれることを防ぎます(Netter, 2022)
- 筋線維の配列:筋線維は羽状配列を呈し、これにより大きな生理学的断面積を持ち、強大な屈曲力を発揮できます(Neumann, 2017)
位置関係と隣接構造
- 前面:上腕二頭筋に覆われ、両筋の間には筋皮神経が走行します(Drake et al., 2020)
- 外側:腕橈骨筋および外側筋間中隔と接し、橈骨神経が筋の外側縁近くを下行します(Mahakkanukrauh and Somsarp, 2002)
- 内側:内側筋間中隔を介して上腕三頭筋と隔てられ、正中神経および尺骨神経が近接します(Moore et al., 2018)
- 深層:上腕骨前面および肘関節包と直接接触します(Standring, 2023)
機能と運動学
- 主動作:肘関節の強力な屈曲を行います。上腕筋は前腕の回内・回外位に関わらず一定の力を発揮する純粋な屈筋であり、これは上腕二頭筋(回外位で最大効率)との重要な違いです(Neumann, 2017)
- 補助動作:肘関節の動的安定化に寄与し、特に関節包を緊張させて屈曲時の前方脱臼を防ぎます(Morrey et al., 2018)
- 筋電図学的特性:屈曲動作において上腕二頭筋よりも持続的で安定した活動を示し、重負荷での屈曲では特に活動が増大します(Basmajian and De Luca, 1985)