後葉(腹直筋鞘の)Lamina posterior (Vagina musculus recti abdominis)

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J0439 (右の内腹斜筋の腱が腹直筋鞘に移行する図)

解剖学的構造

腹直筋鞘後葉は腹直筋の後上方2/3(臍より上方)に位置する筋膜層で、内腹斜筋腱膜の後葉と腹横筋腱膜が融合することで形成されます (Standring, 2021; Moore, Dalley and Agur, 2018)。この後葉の下縁は半月状に終わり、弓状線(arcuate line、Douglas線とも呼ばれる)を形成します。弓状線は通常、臍と恥骨結合の中間付近に位置します (Gray et al., 2020; Sinnatamby, 2023)。

弓状線より下方では腹直筋鞘後葉は存在せず、腹直筋の後面は腹横筋筋膜、腹膜前筋膜、腹膜のみで覆われることになります (Ellis, Mahadevan and Richards, 2022)。腹直筋鞘後葉は腹直筋を包み込むように前葉と連結しており、腹直筋の支持構造を形成しています (Skandalakis, Skandalakis and Skandalakis, 2017)。

血管支配

上腹壁動静脈および下腹壁動静脈が腹直筋鞘後葉を貫通し、腹直筋に栄養を供給しています (Loukas, Benninger and Tubbs, 2023; Netter, 2019)。この血管走行は外科手術において血管損傷のリスクを考慮すべき重要なポイントとなります (Tank, 2021)。

臨床的意義

腹直筋鞘後葉は以下のような臨床的重要性を持ちます:

機能的役割

腹直筋鞘後葉は、腹直筋の後方支持と保護、および腹腔内圧の維持において重要な役割を果たしています (Moore, Dalley and Agur, 2018; Standring, 2021)。

参考文献