胸骨筋

日本人のからだ(堀口正治 2000)によると

胸骨筋は通常、胸筋神経や肋間神経の枝が支配します。この筋肉は胸骨とほぼ平行に走り、起始点は通常、腹直筋鞘または第3-7肋軟骨で、終止点は主に胸鎖乳突筋または胸筋筋膜です。胸骨筋の存在は個体差があり、日本人では10%以上に見られますが、白人では2-4%にしか見られません。胸骨筋は大胸筋の表面を胸骨に沿って縦走する筋束で、その大きさや形状はさまざまですが、体数では13.6%、側数では7.7%に出現します(図20) (大森ら, 1984)。大胸筋の一部が欠如している場合もあります(図20) (北村ら, 1985; Kida and Kudoh, 1991)。胸骨筋の支配神経は、外側胸筋神経または胸筋神経ワナから起こり、小胸筋の頭側縁を超える最下の神経または(および)小胸筋を貫く最上位の神経で、大胸筋胸肋部中部または下部を貫いて胸骨筋に至ります(浦, 1938; Kusunoki, 1960)。

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図20 胸骨筋の例(右側) (Eisler, 1912改変)

図20 胸骨筋の例(右側)

PMj: 大胸筋 (1: 鎖骨部、2: 胸肋部、3: 腹部)、S: 胸骨筋 (特例)