仙腸関節 Articulatio sacroiliaca; Sacroiliac joint

J0327 (右側の仙腸関節:前頭断、前面からの後半部分の図)
解剖学的構造
関節の分類と基本構造
- 仙腸関節は仙骨と腸骨を連結する半関節(amphiarthrosis)であり、微小な可動性を有する滑膜性平面関節として分類される。
- 関節面は仙骨の耳状面(facies auricularis ossis sacri)と腸骨の耳状面(facies auricularis ossis ilii)によって形成される。
- 関節面の面積は成人で約17.5cm²程度であり、個体差が大きい。
関節面の形態学的特徴
- 仙骨耳状面の上部2/3は縦軸方向に溝状の凹凸(隆起と陥凹)を呈し、腸骨耳状面はそれに対応した相補的な凹凸構造を持つ。これにより関節の安定性が高められている。
- 関節面の形状は個体差が大きく、L字型、C字型、逆L字型などの変異が存在する。
- 関節軟骨は二層構造を呈する:
- 深層:硝子軟骨(hyaline cartilage)で構成され、仙骨側で厚さ1-3mm、腸骨側で0.5-1mm程度
- 表層:線維性軟骨(fibrocartilage)で覆われ、より強固な構造を形成
- 関節腔は非常に狭く、滑液量も少量である。
関節包と靭帯構造
仙腸関節は人体で最も強固な靭帯構造を有する関節の一つである:
- 前仙腸靭帯(ligamentum sacroiliacum anterius):関節包の前面を補強し、薄く広い膜状構造を呈する。
- 骨間仙腸靭帯(ligamentum sacroiliacum interosseum):関節包の後方深層に位置し、仙骨粗面と腸骨粗面の間を充填する最も強力な靭帯。体重伝達において中心的役割を果たす。
- 後仙腸靭帯(ligamentum sacroiliacum posterius):骨間仙腸靭帯の表層に位置し、長後仙腸靭帯と短後仙腸靭帯に分けられる。腸骨の上後腸骨棘と仙骨の外側稜を結ぶ。
- 副靭帯として、仙結節靭帯(ligamentum sacrotuberale)と仙棘靭帯(ligamentum sacrospinale)が間接的に仙腸関節の安定性に寄与する。
副関節面(accessory articulation)