蓋膜は後縦靱帯の上部が作る幅広い膜です。環椎十字靭帯を後から被い、大後頭孔前縁を越えて斜台に至り、後縦靱帯を後方から被う脳硬膜と共に骨に着きます。Fick氏などの記述によると、蓋膜は後縦靱帯上部の特に深層を指し、その線維は表層の後縦靱帯に比べて短く、下端は第2~3頚椎体に終わるとされています。蓋膜は硬膜上腔の蓋をする膜を指し、Tectoriaはtectum(蓋、屋根)の形容詞です。