前環椎後頭膜 Membrana atlantooccipitalis anterior

J0296 (後頭骨と第1から第3の頚椎は、前方から見ると靱帯と結合する)
解剖学的構造
位置と範囲:
- 環椎(第1頚椎)の前弓上縁から大後頭孔の前縁(basioccipital bone)まで広がる線維性の膜構造です(Tubbs et al., 2011)
- 外側方では環椎後頭関節の関節包と癒合し、関節を補強します(Standring, 2020)
- 矢状面では椎骨動脈と第1頚神経の前方に位置します(Tubbs et al., 2011)
組織学的特徴:
- 主に密性結合組織で構成され、豊富な弾性線維を含有しています(Dvorak et al., 1988)
- 中央部は特に厚く強靭で、前縦靱帯(anterior longitudinal ligament)の上方延長部の線維と密に結合しています(Standring, 2020)
- この中央部の肥厚は頭蓋と頚椎の連結における主要な補強構造となっています(Tubbs et al., 2011)
連続性:
- 下方では環椎前弓と軸椎(第2頚椎)椎体前面の間で前環軸膜(membrana atlantoaxialis anterior)として継続します(Standring, 2020)
- 前縦靱帯との連続性により、頭蓋底から仙骨に至る脊柱前面の連続した靱帯系を形成します(Dvorak et al., 1988)
機能的意義
運動制御:
- 頭部の後屈運動(extension)を制限し、過度な伸展による損傷を防ぎます(Panjabi et al., 1991)
- 弾性線維の存在により、運動後の頭部の正中位への復元を助けます(Dvorak et al., 1988)
- 環椎後頭関節における屈曲・伸展運動の安定性を提供します(Panjabi et al., 1991)