舟状骨関節面(距骨の) Facies articularis navicularis tali

J0251 (右距骨:下方からの図)

J0252 (右距骨:上方からの図)
解剖学的特徴
距骨の舟状骨関節面は、距骨頭(caput tali)の前内側部に位置する卵円形または凸状の関節面です(Sarrafian, 1993)。この関節面は以下の詳細な解剖学的特徴を有しています:
- **位置と形状:**距骨頭の前方に位置し、凸状の滑らかな軟骨面を形成します(Gray, 2020)。
- **関節の構成:**足根舟状骨(os naviculare)の後方関節面と関節を形成し、距舟関節(articulatio talocalcaneonavicularis)の一部を構成します(Standring, 2016)。
- **軟骨層:**硝子軟骨(hyaline cartilage)で覆われており、滑らかな関節運動を可能にします(Netter, 2018)。
- **関節包:**距舟関節包(capsula articularis talocalcaneonavicularis)により包まれ、滑液膜により栄養されます(Moore et al., 2018)。
- **靱帯支持:**底側踵舟靱帯(ligamentum calcaneonaviculare plantare; spring ligament)の上面と接触し、距骨頭を下方から支持する重要な構造です(Sarrafian, 1993)。
機能と運動
舟状骨関節面は足部の複雑な運動に重要な役割を果たします(Inman, 1976):
- **回内・回外運動:**足部の回内(pronation)と回外(supination)運動の軸となります(Hicks, 1953)。
- **内転・外転運動:**足部の内転(adduction)と外転(abduction)運動に寄与します(Lundberg et al., 1989)。
- **底屈・背屈:**足部全体の底屈(plantar flexion)と背屈(dorsiflexion)の一部を担います(Perry, 1992)。
- **歩行時の役割:**歩行周期において、踵接地から足底接地への移行時に重要な役割を果たし、体重を前足部へ伝達します(Perry, 1992)。
臨床的意義
距骨の舟状骨関節面に関連する臨床的問題は以下の通りです:
- **距舟関節症:**変形性関節症(osteoarthritis)が生じやすい部位であり、関節軟骨の変性により疼痛や可動域制限が生じます(Valderrabano et al., 2009)。
- **扁平足(pes planus):**底側踵舟靱帯の機能不全により距骨頭が内側・底側へ突出し、舟状骨関節面への過剰な負荷が生じます(Mann & Thompson, 1985)。
- **距骨無腐性壊死:**血流障害により距骨頭部の壊死が生じると、舟状骨関節面の崩壊を引き起こします(Canale & Belding, 1980)。