斜径(骨盤の)Diameter obliqua pelvis

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J0226 (女性の骨盤:登録ずみの直径付きの図)

解剖学的定義

骨盤の斜径(diameter obliqua pelvis)は、骨盤計測における重要な指標の一つで、骨盤腔の空間的特性を評価するための基本的な測定値です(Williams et al., 2018)。

骨盤上口(pelvis inlet)における斜径は、一側の仙腸関節(articulatio sacroiliaca)から対側の腸恥隆起(eminentia iliopubica)までの距離として定義されます(Moore et al., 2018)。腸恥隆起は、恥骨櫛(pecten ossis pubis)と弓状線(linea arcuata)が合流する部位に形成される隆起で、骨盤上口の境界である分界線(linea terminalis)上に位置します(Standring, 2020)。

斜径の種類

骨盤上口には2つの斜径が存在します(Cunningham et al., 2022):

これらの斜径は、骨盤上口の形状を菱形(ダイヤモンド形)として捉えた際の対角線に相当します(Snell, 2019)。

他の骨盤径との関係

骨盤上口には、斜径以外にも以下の重要な径が存在します(Moore et al., 2018):

骨盤上口において、通常は横径が最も長く、次いで斜径、真結合線の順となります。この関係性は正常な骨盤形態を示す重要な指標です(Standring, 2020)。

臨床的意義

産科学における重要性

斜径は産科骨盤計測において極めて重要な役割を果たします(Cunningham et al., 2022):