閉鎖孔 Obturator foramen
閉鎖孔は骨盤を構成する最大の孔であり、寛骨の恥骨と坐骨によって形成される重要な解剖学的構造です。この孔は閉鎖膜によって覆われ、閉鎖神経や血管の通路となる閉鎖管を形成しています(Gray, 2020; Standring, 2015)。

J0212 (右の寛骨:外側からの図)

J0213 (右の寛骨:内側からの図)

J0214 (右の寛骨:前下からの図)

J0489 (右側の鼡径部の筋を鼡径靱帯の直下で切断した図)
解剖学的特徴
位置と構成
- 寛骨臼の下方、内側に位置する骨盤で最大の孔
- 前方境界:恥骨(恥骨下枝と恥骨体)によって形成
- 後方境界:坐骨(坐骨体と坐骨枝)によって形成
- 上方境界:寛骨臼の下縁
- 下方境界:恥骨下枝と坐骨枝の結合部(Moore et al., 2018)
形態学的特徴と性差
- 男性:楕円形または卵形で、長径が縦方向に配置される
- 女性:三角形に近い形状で、より広い
- 産道の形成に関連し、より大きな骨盤腔を形成
- 恥骨弓がより広く、閉鎖孔もより広い
- 成人では約5cm×3cmの大きさ(長径×短径)
- 新生児では軟骨性の構造であり、思春期までに完全に骨化する(Agur and Dalley, 2016)
閉鎖膜(Obturator membrane)
- 線維性の結合組織膜で、閉鎖孔のほぼ全体を覆う
- 厚さ:約2-3mm
- 機能:
- 筋の付着面を提供(内閉鎖筋と外閉鎖筋)
- 骨盤腔と大腿部を分離
- 骨盤の構造的安定性に寄与
- 閉鎖管の形成:膜の上外側部に小さな開口部を残し、閉鎖管を形成(Netter, 2018)