茎状突起(第3中手骨の)Processus styloideus (Ossis metacarpi tertii [III])

J0202 (右の第三指の中手骨と指節:手の背面からの図)

J0324 (右手の第3指の中手骨と関節、および靱帯、橈骨側からの図)
解剖学的概要
第三中手骨の茎状突起(Processus styloideus ossis metacarpi tertii)は、第3中手骨底の背側橈側面に位置する小さな骨性突起です(Gray, 2020; Standring, 2020)。この突起は第3中手骨底の後面外側端から近位方向に突出しており、有頭骨との関節面の橈側縁に隣接しています(Netter, 2018)。
位置と形態
- 第3中手骨の基部背側面、特に橈側(親指側)に位置します(Moore et al., 2017)。
- 近位方向(手首方向)に向かって突出する円錐状または棘状の形態を呈します(Standring, 2020)。
- 大きさは個体差がありますが、通常2-5mm程度の長さです(Pećina et al., 2001)。
- 第2中手骨の茎状突起よりも小さく、目立ちにくい構造です(Netter, 2018)。
解剖学的関係
- 橈側に第2中手骨が隣接し、尺側に第4中手骨が位置します(Gray, 2020)。
- 近位では有頭骨と関節を形成し、手根中手関節の一部を構成します(Moore et al., 2017)。
- 背側には伸筋腱(特に総指伸筋腱)が走行します(Standring, 2020)。
- 周囲には手根中手関節を支持する靱帯(背側中手骨靱帯、骨間中手骨靱帯)が付着します(Berger, 1997)。
機能的意義
- 手根中手関節の安定性に寄与する構造的支持点として機能します(Viegas et al., 1993)。
- 関節包や靱帯の付着部位として、手関節の動きを制御します(Berger, 1997)。
- 第3中手骨は手の中心軸を形成するため、茎状突起はその基部の安定性に重要です(Moore et al., 2017)。
臨床的重要性
- **骨折:**直達外力や手をついた際の介達外力により、茎状突起骨折が発生することがあります(Rettig, 2003)。手根骨骨折との合併が多く見られます(Jupiter & Belsky, 1991)。