関節窩(橈骨頭の)Fovea articularis capitis radii

J0179 (右の橈骨:母指側からの図)
解剖学的特徴
橈骨頭の関節窩(関節面)は、橈骨近位端の橈骨頭上面に位置する浅い円形の凹面構造です(Palastanga et al., 2006)。この関節面は以下の解剖学的特徴を有します:
- 形態:直径約1.5-2cmの浅い皿状の凹面で、中央部がわずかに陥凹している(Standring, 2016)
- 位置:橈骨頭の上面(近位面)に位置し、橈骨頭周囲関節面の内側に連続する
- 関節相手:上腕骨小頭(capitulum humeri)の凸面と適合し、腕橈関節(humeroradial joint)を形成する(Morrey & Sanchez-Sotelo, 2009)
- 軟骨被覆:硝子軟骨で覆われており、厚さは約1-2mmで、荷重部位でやや厚くなる(Athwal et al., 2011)
- 形状適合:上腕骨小頭の曲率と高度に適合しており、肘関節屈曲・伸展時の安定性に寄与する(Morrey & Sanchez-Sotelo, 2009)
機能的役割
関節窩は肘関節の主要な構成要素として、以下の機能を担います:
- 肘関節の屈曲・伸展運動:上腕骨小頭上を滑走し、約140-150度の可動域を実現する(Morrey et al., 1981)
- 前腕の回内・回外運動:橈骨頭が長軸周囲に回転する際の軸点として機能する(Standring, 2016)
- 荷重伝達:上肢から手に伝わる荷重の約60%を橈骨側で受け止める(残り40%は尺骨側)(Hotchkiss, 1997)
- 関節安定性:上腕骨小頭との適合により、肘関節の外反ストレスに対する抵抗性を提供する(Morrey & An, 1983)
臨床的意義
橈骨頭の関節窩は、様々な臨床病態と関連します:
- 橈骨頭骨折(radial head fracture):転倒時に手をついた際の介達外力により、関節窩部分が骨折することが多い(Mason, 1954)。Mason分類で重症度を評価し、転位の程度により保存療法または手術療法を選択する(Broberg & Morrey, 1987)
- 関節軟骨損傷:反復性の外反ストレスや回旋負荷により、関節軟骨の摩耗や剥離が生じることがある(Takahara et al., 2007)。野球肘などのスポーツ障害で見られる