顆上突起;上顆上突起

顆上突起は、上腕骨の顆の上に位置する余分な骨の突起です。主な特徴は以下の通りです:

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J0171 (右上腕骨と顆上突起(破格):前方からの図)

日本人のからだ(平田和明 2000)によると

顆上突起Processus supracondylaris (図32)

顆上突起は、上腕骨の顆の上に存在する余分な骨の突起を指します。系統発生的に重要で、内側上顆の上方に位置し、靭帯で内側上顆と結合されています。円回内筋がこの靭帯から起こることがあり、靭帯の下を上腕動脈と正中神経が通ることもありますが、日本人では非常に稀です。

顆上突起は、内側上顆の上方、上腕骨骨体の遠位1/3付近に出現する鈎状の突起として知られています。この突起は内側上顆と靭帯で結合し、腱弓あるいは孔(顆上孔)を形成することがあります。この部位を通常上腕動脈・上腕静脈や正中神経が通過します。しかし、日本人における出現率は低く、突起の形状は通常鎌状で、長さは約10mmですが、時には20mmを超えることもあります。

また、西原(1953)によると、上腕骨272側中に顆上突起はほとんど見られないが、その部位に結節状の小隆起が4側(1.5%)に、そして幅1mm前後の小溝が16側(5.9%)に認められたとのことです。

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図32 顆上突起,滑車上孔

図32 顆上突起,滑車上孔