

上腕骨の前外側面は、上腕骨前面において結節間溝(sulcus intertubercularis)の外側に位置する解剖学的領域です(Standring, 2020)。この面は上腕骨体の近位部から遠位部にかけて広がり、外側縁(margo lateralis humeri)に隣接しています。
前外側面の上部1/3には、三角筋粗面(tuberositas deltoidea)と呼ばれる粗造な隆起部があり、これは三角筋(musculus deltoideus)の停止部となります(Moore et al., 2017)。この粗面はV字型をしており、その先端は上腕骨体の中央部付近まで達します。
三角筋粗面の外側には、橈骨神経溝(sulcus nervi radialis)が螺旋状に走行しており、この溝は後面から前外側面を横切るように斜めに走ります(Drake et al., 2019)。
橈骨神経は上腕骨の後面から橈骨神経溝を通って前外側面に至ります。この神経は上腕深動脈(arteria profunda brachii)とともに螺旋状に上腕骨を巻くように走行し、外側上腕筋間中隔を貫いて前腕に至ります(Standring, 2020)。橈骨神経溝の位置は上腕骨骨折において重要な解剖学的ランドマークとなります(Shao et al., 2005)。