肩甲切痕
肩甲切痕は、肩甲骨の上縁に見られる特徴的な構造です。その主な特徴は以下の通りです:
- 肩甲骨の上縁が著しく薄くなり、カミソリの刃のような形状を呈します。
- この薄くなった部分に切れ込みが認められます。
- 大きさと形状には個体差があり、薄い切れ込みから上部が骨で閉じられた孔まで、様々な形態が存在します。
- 生体内では、この切痕の上部は上肩甲横靱帯によって橋渡しされ、孔を形成します。
- この孔を肩甲上神経が通過します。
肩甲切痕の出現頻度に関する研究結果も報告されています:
- 肩甲切痕が不明瞭な例は、ある研究では2.5%(200側中5側)、別の研究では12.5%(464側中58側)と報告されています。
- 肩甲切痕が欠如している例は、ある研究では13.5%(200側中27側)、別の研究では10.3%(464側中48側)と報告されています。
- 上肩甲横靱帯の骨化により肩甲切痕が孔になる「肩甲上孔」は、ある研究では3.0%(200側中6側)、別の研究では2.2%(464側中10側)に観察されたと報告されています。
J0160 (右の肩甲骨:前方からの図)
J0161 (右肩甲骨:後方からの図)
日本人のからだ(平田和明 2000)によると
(1)肩甲切痕の形態
肩甲切痕とは、肩甲骨の上縁が薄くなり、カミソリの刃のようになっている状態であり、その上に切れ込みが見られるものを指します。この切痕の大きさや形状は、個体によって異なります。切れ込みが薄い場合や、上部が骨で覆われて孔になっている場合もあります。
生体内では、この切痕の上部は靱帯によって橋渡しされ、孔となっています。この孔を通って肩甲上神経が通過します。肩甲切痕の深さや大きさなど、その形状は多様です。