横線(仙骨の)Lineae transversae (Os sacrum)

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J0130 (仙骨:前面および下方からの図)

解剖学的特徴

仙骨の横線(横隆起)は、仙骨前面(骨盤面)に見られる4本の水平な隆起線です。これらは5つの仙椎椎体(S1-S5)が胎生期から成人期にかけて癒合する際の境界を示す重要な解剖学的指標となります(Williams et al., 2020; Moore et al., 2018)。

解剖学的記述

仙骨は通常、20〜25歳頃までに5つの仙椎が完全に癒合して形成されます(Standring, 2021)。横線はこの癒合過程における椎体間の境界を示し、各横線の両端は前仙骨孔(計4対)に連続します。最も上位の横線(S1-S2間)が最も明瞭で、下方に向かうにつれて不明瞭になる傾向があります(Netter, 2019)。

横線の間の領域は、それぞれの仙椎椎体に相当し、上位ほど幅が広く、下位ほど狭くなります。この形態は仙骨の逆三角形状の外形に対応しています(Moore et al., 2018)。

臨床的意義

関連する臨床所見

仙骨不全癒合症では、横線部分での癒合が不完全となり、脊柱管狭窄や神経根症状の原因となることがあります(Standring, 2021)。また、仙骨腫瘍や感染症の進展経路として、横線に沿った軟部組織への浸潤が見られることがあります(Resnick et al., 2017)。