仙骨粗面 Tuberositas ossis sacri

J0131 (仙骨:後上方からの図)

J0134 (仙骨と尾骨:右側からの図)
解剖学的特徴
仙骨粗面(Tuberositas ossis sacri)は、仙骨の後外側面に位置する粗造な骨隆起部です(Gray, 2020; Moore et al., 2018)。この構造は仙骨耳状面の後方に存在し、仙骨の外側塊(lateral mass)の一部を形成しています。
詳細な解剖学的構造
- 仙骨の第1~第3仙椎レベルの後外側面に位置します(Standring, 2020)
- 仙骨耳状面(仙腸関節の関節面)の後方に隣接しています(Moore et al., 2018)
- 表面は非常に粗造で不規則な隆起を呈し、強力な靭帯の付着に適した構造となっています(Gray, 2020)
- 仙骨の後上方および外側方から明確に観察することができます(Standring, 2020)
靭帯付着部としての機能
仙骨粗面は、骨盤の安定性を維持する重要な靭帯の付着部として機能します(Vleeming et al., 2012):
- 仙腸骨間靭帯(Ligamentum sacroiliacum interosseum):仙骨粗面から腸骨粗面へと走行する、仙腸関節を補強する最も強力な靭帯です(Moore et al., 2018; Vleeming et al., 2012)
- 後仙腸靭帯(Ligamentum sacroiliacum posterius):浅層と深層に分かれ、仙骨粗面から腸骨の後上腸骨棘および腸骨稜に付着します(Standring, 2020)
これらの靭帯は仙腸関節の安定性を確保し、体重を下肢へ伝達する際の重要な役割を担っています(Vleeming et al., 2012; Cohen, 2005)。
臨床的意義
仙腸関節痛との関連:
- 仙骨粗面に付着する靭帯の損傷や炎症は、仙腸関節痛の主要な原因となります(Cohen, 2005; Simopoulos et al., 2015)
- 妊娠や出産時のホルモン変化により靭帯が弛緩し、仙腸関節の不安定性が生じることがあります(Vleeming et al., 2008)
- 長時間の座位や不良姿勢により、この領域に過度な負荷がかかり疼痛を引き起こすことがあります(Cohen, 2005)
画像診断での重要性: