篩骨突起(下鼻甲介の)Processus ethmoidalis (Concha nasalis inferior)

J0045 (右下鼻甲介:内側からの図)
J0046 (右下鼻甲介:外側からの図)

J0089 (右の翼口蓋窩、外側からの図)
解剖学的概要
下鼻甲介の篩骨突起(しこつとっき)は、下鼻甲介骨から上方に突出する薄い骨性突起であり、鼻腔外側壁の複雑な骨構造を形成する重要な解剖学的要素です(Lang, 2020)。この突起は下鼻甲介と篩骨系を連結する重要な接合部として機能し、鼻腔と副鼻腔の解剖学的関係を理解する上で不可欠な構造です(Stammberger and Kennedy, 2018)。
詳細な解剖学的特徴
1. 形態学的特性
- 形状:下鼻甲介の上縁中央部から上方に突出する薄く扁平な骨性突起で、その厚さは通常0.5-1.5mm程度です(Chung et al., 2022)。
- 大きさ:垂直方向に約3-5mm、前後方向に約5-8mm伸展し、個体差が顕著です(Lang, 2020)。
- 骨質:緻密骨で構成され、薄いながらも相応の強度を有しています(Netter, 2023)。
2. 解剖学的位置と関係
- 位置:鼻腔外側壁の下部、下鼻甲介の上縁後方部分から上方へ突出します(Zinreich et al., 2019)。
- 篩骨との関係:篩骨の鈎状突起(uncinate process)の下端と直接接続し、篩骨洞の前下部境界を形成します(Stammberger and Hawke, 2018)。この接続は篩骨迷路の解剖学的指標として重要です。
- 涙骨との関係:前方では涙骨の下部と接触し、鼻涙管の外側境界形成に関与します(Orlandi et al., 2021)。
- 口蓋骨との関係:後方では口蓋骨の鼻甲介稜(crista conchalis)と連結し、下鼻甲介の後方固定点を形成します(Lang, 2020)。
- 上顎骨との関係:上顎洞裂孔(hiatus maxillaris)の後下縁を構成し、上顎洞の自然開口部の形成に重要な役割を果たします(Fokkens et al., 2020)。
3. 周囲の解剖学的構造
- 篩骨蜂巣:篩骨突起は前篩骨蜂巣と下鼻甲介を分離する境界を形成します(Lund et al., 2022)。
- 中鼻道:篩骨突起の上方は中鼻道の下部に位置し、この空間の解剖学的理解に重要です(Stammberger and Kennedy, 2018)。
- 下鼻道:篩骨突起の下方には下鼻道が広がり、鼻涙管の開口部が位置します(Netter, 2023)。
機能的意義