後篩骨孔 Foramen ethmoidale posterius
後篩骨孔は、頭蓋の前部に位置する解剖学的に重要な開口部であり、以下のような詳細な特徴を持ちます (Lang, 2012)。

J0037 (前頭骨:下方からの図)

J0041 (篩骨:上方からの図)

J0089 (右の翼口蓋窩、外側からの図)

J0043 (右の篩骨迷路:外側からの図)

J0090 (右の眼窩:前方からの図)

J0091 (右の眼窩、アノテーション付き:前方からの図)
解剖学的特徴
- 位置:篩骨眼窩板の上縁と前頭骨眼窩部の間に位置します (Standring, 2020)。
- 大きさ:通常直径1〜2mm程度の小さな孔です (Moore et al., 2018)。
- 形状:楕円形または円形の開口部です。
- 前篩骨孔との関係:前篩骨孔より後方に位置し、通常は眼窩内側壁の後方1/3に存在します (Gray and Standring, 2016)。
通過構造物
- 後篩骨神経:前篩骨神経と同様に眼神経(三叉神経第1枝)の分枝で、鼻腔後部の感覚を支配します (Netter, 2019)。
- 後篩骨動脈:眼動脈から分岐し、後部篩骨蜂巣と鼻腔後部に血液を供給します (Drake et al., 2015)。
- 後篩骨静脈:対応する静脈系が通過し、眼静脈に還流します (Salinas et al., 2014)。
臨床的意義
- 鼻内視鏡手術の際の重要な解剖学的指標となります (Stamm and Draf, 2016)。
- 頭蓋底手術や前頭蓋底アプローチにおける重要なランドマークです (Casiano, 2018)。
- 後篩骨動脈からの出血は鼻出血の原因となることがあります (Simmen and Jones, 2014)。
- 副鼻腔炎や篩骨洞炎が周囲に波及すると、この部位を通って眼窩内や頭蓋内に感染が広がる経路となりうります (Fokkens et al., 2020)。
画像診断
- CT検査:冠状断および水平断で同定可能です (Hoang et al., 2016)。
- MRI:T1強調画像では低信号、T2強調画像では高信号を示します (Aronson et al., 2017)。