上 Superior
「上」(superior)は解剖学における方向を示す重要な用語で、体の位置関係を正確に記述するために使用されます(Moore et al., 2018)。

J0011 (腰椎、椎体:右側からの矢状断図)
解剖学的定義
解剖学標準姿位において、「上」は以下のような意味を持ちます(Standring, 2020):
- 頭側に近い位置、または頭頂に向かう方向を指します
- 体幹では、頭部に近い構造物がより「上」に位置します
- 対義語は「下」(inferior)で、足側に近い位置を示します
具体的な使用例
上肢の構造:
- 上腕骨(humerus):肩関節と肘関節の間の長骨で、前腕骨よりも上方に位置します(Netter, 2019)
- 上腕動脈(brachial artery):上肢の主要動脈で、上腕部を走行します(Moore et al., 2018)
呼吸器系:
- 上気道(upper respiratory tract):鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭を含む気道の上部構造(Drake et al., 2020)
- 上咽頭(nasopharynx):咽頭の最上部で、鼻腔の後方に位置します(Standring, 2020)
消化器系:
- 上部消化管(upper gastrointestinal tract):食道、胃、十二指腸を含む消化管の上方部分(Moore et al., 2018)
- 上腸間膜動脈(superior mesenteric artery):腹部大動脈から分岐し、小腸と大腸の一部に血液を供給します(Netter, 2019)
神経系: