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片山正輝

目次(V. 神経系)

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(図518(耳神経節とその結合(内側面からの描写)) )

耳神経節は最大直径3~4mmの扁平な楕円形で、卵円孔のすぐ下、三叉神経第3枝の内側面、口蓋帆張筋の外側面に接している。その神経細胞は多極性である。耳神経節は、「根」と呼ばれる複数の神経と結合し、一連の枝を送り出している。

耳神経節の根

  1. 三叉神経第3枝(下顎神経)との結合枝。その線維の大部分が内側翼突筋神経およびその諸枝に移行する。これが運動根Radix motoriaである。
  2. 中硬膜動脈周囲の交感神経叢との結合枝、すなわち硬膜枝との交通枝Ramus communicans cum ramo meningico。これが交感根Radix sympathicaである。
  3. 小浅錐体神経N. petrosus superficialis minor(図518(耳神経節とその結合(内側面からの描写)) )。これは耳神経節と舌咽神経の外神経節を結合し、同時に顔面神経の膝神経節とも連絡する。蝶骨錐体裂から出て耳神経節の後端に達し、その線維は主に舌咽神経の鼓室神経に由来する。これが知覚根Radix sensitivaである。
  4. 中枢方向への第4の結合として、耳神経節はNervulus sphenoidalis internus(内蝶骨小神経)によって翼口蓋神経節と連絡している。この小神経は耳神経節から出て翼突管神経に達する。
  5. 第5の結合枝はNervulus sphenoidalis externus(外蝶骨小神経)で、C. Krauseによれば三叉神経の半月神経節に至るという。

耳神経節から末梢経路に入る枝は次の通りである:

  1. 耳介側頭神経に達する淡色の太い枝、すなわち耳介側頭神経との交通枝Ramus communicans cum n. auriculotemporali
  2. 鼓索神経への枝、すなわち鼓索神経との交通枝Rami communicantes cum chorda tympani
  3. 鼓膜張筋神経N. tensoris tympaniへの小枝
  4. 内側翼突筋神経N. pterygoideus medialisへの枝
  5. 口蓋帆張筋神経N. tensoris veli palatiniへの枝
  6. 頬神経N. buccalisへの枝 その他、経路不明の若干の枝