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上行咽頭動脈は細長い動脈で、外頚動脈の起始部近くから分岐し、咽頭の側壁を上行して頭蓋底に達する。その枝は咽頭、深頚部の軟部組織、および頭蓋底に分布する。また、不規則ながら頚部脊椎前面の諸筋にも小枝を送る。上行咽頭動脈の主な枝は以下の通りである:
a) 咽頭枝 Rr. pharyngici:通常2本の細い枝が中・下咽頭収縮筋(舌骨咽頭筋と喉頭咽頭筋)を養う。太い1本の枝は上咽頭収縮筋(頭咽頭筋)、耳管、口蓋扁桃に至る。
b) 後頭硬膜動脈 A. meningea occipitalis:頚静脈孔、破裂孔、頚動脈管、または舌下神経管を通って脳硬膜に達し、そこで分枝する。
c) 下鼓室動脈 A. tympanica inferior:鼓室神経とともに鼓室小管を通り、中耳の岬角で分枝する。
上行咽頭動脈の枝は、上行口蓋動脈および翼突管動脈の枝と吻合する。
**変異:**上行咽頭動脈はより上方で分岐することがあり、時に後頭動脈や内頚動脈から出ることもある。重複して存在することもあり、しばしば上行口蓋動脈がこの動脈から分岐する。