上行咽頭動脈
上行咽頭動脈は、以下の特徴を持つ動脈です:
- 通常、上甲状腺動脈の上方、外頚動脈の後方から第1または第2の枝として分岐します
- 咽頭の側壁に沿って上行します
- 茎突舌骨筋の内側を通ります
- 頭蓋底まで到達し、軟口蓋後頭窩に分布します
上行咽頭動脈の起始には変異があり、以下のパターンが観察されています:
- 外頚動脈から直接分岐(57.4%)
- 後頭動脈と共同幹で外頚動脈から分岐(33.1%)
- 内頚動脈と外頚動脈の分岐部から分岐(3.3%)
- 内頚動脈から分岐(5.4%)
この動脈は、咽頭壁の後外側面を上行し、咽頭壁の後面、交感神経の上頚神経節、頚静脈孔、舌下神経管、前頭直筋、頭長筋などに分布する枝を出します。また、口蓋帆挙筋の起始近くで咽頭壁を貫き、この筋の起始部や耳管下面、咽頭壁内面にも分布します。
J0558 (喉頭と舌の動脈:右側からの図)
J0564 (頚深部の動脈、右方からの図)
J0565 (右側の内頚動脈と鼓室)
J0570 (脳を取り除いた後の頭蓋内の大きな脳動脈の位置:左側からの右頭蓋の図)